あの時。もっとはっきり想いを伝えられていたら、今とは違う未来になっていただろうか――。





過去をどんなに悔やんだって、変えることはできない。分かってる。それでも「if」を考えてはモヤモヤしてる。





かつて、好きな人がいた。否、今も好きなままだ。



作業療法士のテツさん。

優しくて、イケメンで、とっても素敵な人で。

作業療法の当番で、テツさんと同じ時間に組まれたときは密かに喜んでた。

彼と一緒に居られるだけで私は幸せだった。

趣味も家族構成も近かったから、話もけっこう合ったりして。

いつか一緒にカラオケ行ったりしたいですね~なんて話もしてた。そんな願いも叶わぬまま、彼は遠くへ行ってしまったけれど。





彼の退職を知ったのは、忘れもしない2年前の誕生日。まさに青天の霹靂だった。





思い切って、メールで告白した。

ずっとあなたが好きだった、だけど私のことは忘れてくださいと。





しばらくして、返信がきた。

気持ちはしっかり受け止めた、忘れないよと。





あのとき、「好きです」だけじゃなく、「付き合ってください」まで言えてたら、今どうなっていただろうか。



本当は伝えたかった。あなたの恋人になりたいと。だけどふられるのは怖かったし、当時の私はリ.スト.カッ.トがやめられずにいたから、こんな女に付き合ってくれだなんて言われたらきっと迷惑だろうと思ったから。





ねぇテツさん。忘れてほしいなんて嘘だったの。

本当は、ずっとあなたのそばに居たかったの。

今どうしていますか?

連絡してみたくても、怖くてできない。

拒まれるんじゃないかと。





でもテツさん、本当に素敵な人だったから、今頃彼女さんとかいるんだろうな――。





最近院内でナースと作業療法士さんがご結婚されたから、また思い出してしまった。

今どうしているんだろう。